心待ちにしていたその時が・・・
初めて納品に同行してからは，次の機会を心待ちにしている自分に，少し複雑な感じがしていました．仕事の合間のちょっとしたひと休みの時間でしかなかったのに・・・その雰囲気も，その会話も，どこか特別で，とても素敵に感じられて・・・強く心に刻まれていました．
そして２週間ほどが過ぎたその日，その機会は不意にやってきました．
「また明日，納品の手伝い，お願いできますか？」
やった！ キタっ！
「あ，はい・・・大丈夫です」
「じゃぁ，またよろしくお願いします」
ワクワクした気持ちが溢れないように気をつけていたし，専務さんも事務的な返事だったし・・・大丈夫だよね・・・
少し遅くなるかもしれませんから・・・
「今日は少し遅くなるかも知れませんから，ちょっと早めに出ましょうか？ 夕方，時間，大丈夫そうですか？」
「あ，はい・・・」
ということで，その日は事務所を出たのが12時半頃．納品書を見れば納品先は１ヵ所だけ．遅くなるってことは・・・今日は遠くなのかと思っていると，納品は滞りなく済んで，２時前には帰路に着いていました．
四方山の話しで過ぎる車のなかで，「遅くなるかもって言ってたけど・・・まだ早いし・・・今日はこのまま戻っちゃうのかな」と思っていると，専務さんが運転する車は，途中から先日のホテルへの道をたどりはじめました．
少しお庭を散歩してほんのりのいい香りがするロビーに入り，お洒落なカフェのテーブルに腰掛けて，さっき歩いていた庭を眺めながらコーヒーを頼んで・・・苦みと少しの酸っぱさと・・・ほんとうはちょっと苦手なコーヒーも，大人の雰囲気のなかではちょっと背伸びをしてみたくて・・・
少しゆっくりしていけますか？
仕事のことに始まって，好きな作家さんのこと，子育てのこと，テレビ番組のこと・・・やはり穏やかで優しいお話しの時が流れて・・・ふと言葉が途切れて，専務さんと目が合ったそのとき，
「今日はもう少しゆっくりしていけますか？」と言葉が・・・
「あ，はい，大丈夫ですけど・・・」と何も考えず，のんきに答えると，
「じゃぁ，少し待っててくださいね」とどこかに消えた専務さん．
しばらくして戻ると，「じゃぁ，行きましょうか」と先に歩きはじめました．
やがて部屋へと導かれ・・・
会計は済ませていたみたいでそのままカフェを出ると，エントランスではなく奥のエレベータホールへ・・・．すぐにエレベータの扉が開いて静かに９階へ上がると，慣れた足取りで廊下を進む専務さん．私は黙ってついて行くしかないわけで・・・何を考える暇もなく部屋の前に来ると，カードキーのピッという音とともに，「どうぞ」とドアをホールドされました．
えっ・・・えっと・・・ さすがに一瞬，どうしていいか戸惑っていると，そっと肩を抱かれて部屋に導かれました．
大きな窓と眩しい日射しと・・・
奥に進むと，目の前には午後の陽光が眩しく射し込む大きな窓，しっとりとした部屋の空気はほのかにいい香りがして・・・専務さんに導かれて窓際に進んで外を見れば，レースのカーテン越しに彼方には高層ビルがそびえ，眼下には東京とは思えない緑豊かな庭．
す・・・凄い・・・
「あ，あそこ・・・さっき歩いたところだ・・・」と景色に気を取られていると，静かに隣りに立っていた専務さんの手が優しく肩に置かれて・・・
「無理は・・・しないで・・・」
もしかすると心のどこかで，こんな出来事を夢見ていたのかもしれません．自信に満ちて落ち着いた専務さんに導かれて，その腕に包まれながら・・・この時の流れに抗いたくない，抗えない自分を，その日，その部屋で，静かに受け入れていました．
Wing/Wacoal ノンワイヤーブラ
ノンワイヤーで着け心地が優しくて，カップのデザインも控えめなので，シンデレラバストの私でも使いやすくて，少しだけ大人っぽさも感じられるので，お気に入りのシリーズです．といっても，ワコールなのでやっぱりちょっとお高め．機会を選んで大切に使っています．ブラはさすがに，いきなりAmazonで買うわけにはいきません．お店で一度フィッティングをさせてもらったうえで，同じラインをAmazonで購入しています．ショーツとのセットも楽しめたりするのもいいところかもしれません．
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